共感は生徒の状況に身を置き、生徒の考えや感情を共有する能力です。共感はまたあなたではなく相手の視点から物事を見る事です。
少し心理学的な説明をすると「積極的傾聴(Active Listening)」と言う技術とほぼ同じものです。。「積極的傾聴」は、米国の心理学者でカウンセリングの大家であるカール・ロジャーズによって提唱されました。私が学んだカウンセリング技術もロジャーズの理論が基本になっています。現代のカウンセリング技術においてロジャーズの影響を受けていないものはほとんどないのではないかと思うほどです。
最近、注目され始めた神経言語プログラミング(NLP)などは、少しアプローチが違って面白いと思います。興味がある方はそちらの本も読んでみると大変勉強になります。
ロジャーズは、自らがカウンセリングを行った多くの事例を分析し、カウンセリングが有効であった事例に共通していた、聴く側の3要素として「共感的理解」、「無条件の肯定的関心」、「自己一致」をあげ、これらの人間尊重の態度に基づくカウンセリングを提唱しました。
今回取り上げる共感を示すと言う記述は、ロジャーズの提唱した「共感的理解」を一歩進めて、共感を示す所まで体系化したものです。どこまでどのように共感をしめすかと言うのは、カウンセラーの考え方によって千差万別です。私はしっかりと共感を示した方が良いと言う考え方です。私はさらに進めて、共感を示している自分とは別に、第3の自分が必要だと感じています。状況を客観的に判断して、適切な対応をすると言うことです。
ロジャーズの3原則は以下の通りです。
1.共感的理解
相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。
2.無条件の肯定的関心
相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴く。其のことによって、話し手は安心して話ができる。
3.自己一致
聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認する。分からないことをそのままにしておくことは、自己一致に反する。
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