学びあい入門(4)

この話を聞いたとき私は胸が痛くなりました。音について説明するときに物理学科出身の私は音と言うのは横波ではなく縦波であることをどうしても説明したくなります。地震波も同じです。P波は縦波でS波は横波です。私はバネを使ってこの説明をしています。これによって学力の高い生徒はより理解できますが、学力の低い生徒はより混乱する事がよくあります。説明しすぎない事の大切さを非常によく感じます。

家電量販店に行くとゲーム機が置いてあり、子ども達が群がっています。ゲーム機を持っていない子ども(当時、幼稚園)は順番待ちの列に並び、ゲーム機を使っている前の子どもの様子を見ていました。そして自分の順番

になると、案の定、無茶苦茶にボタンを押していました。そうすると子どもの後ろの小学校高学年の子どもが何やらアドバイスをしているようで、大丈夫そうだと思って父親は店内をぶらぶら回っていました。しばらくして、ゲーム機のところに戻っていると息子がちゃんと操作しようなのビックリしたそうです。アドバイスは組織的なものではないと思います。しかし的確だったことは確かです。

クラスの中には、教師にとってお手上げの子がいます。しかし、その子が何がわからないのかがわかり、説明してあげられる子も、クラスの中にはいると学びあいを実践している先生方は言います。要するに「首都とはその国の大事なことを話し合うところ」という説明が出来る子どもの事です。子どもにとって学習内容は新しい内容です。理解している子どもは既習の知識で新しい学習内容を翻訳して理解している訳です。これに教師が勝てる訳がありません。まさに目から鱗の大発見です。これは教師が教える事のスペシャリストであるという誇りを捨ててもっと大きな視野で教育を見つめなければならない事を意味しています。ただ、生徒のために、それを考えるならプライドを捨て去る事も大切だと感じます。

子ども達の能力の多様性は頭痛の種ではなく、宝なのです。そして、社会は能力が多様な人達で構成されています。その社会で生き残れるコミュニケーション能力を学校で育てなければならないのです。いつ育てますか? それは「今」です。そして学校教育の間中「ずっと」です。

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