公教育の根本的問題と世田谷区立桜丘中学校西郷孝彦先生の実践で今すぐ出来るもの(1)


まず、私が考えるのはいじめは人間が生れながらに持っている本能だという事です。以前、私が水槽で熱帯魚を5匹飼っていた時の事です。見るからに弱くて、動きの遅い魚が一匹いました。ある時、熱帯魚の様子をみていると弱い熱帯魚のヒレが破れているのに気づきました。そこで注意してみていると他の魚が弱い魚を口でつついていじめている事に気づきました。しかも、みんなで一匹だけを集中攻撃しているのです。私が弱っている一匹を分けるように別の水槽を準備した時には手遅れでした。弱った熱帯魚は死んでしまいました。

生物には居住スペースにおける適正生存個体数があるようです。このくらいの広さなら、このくらいの数が生きられる。数が多すぎる場合、一番弱い個体を攻撃して適正な数にする。

人間は動物ではありませんから、そのような事をしてはいけない事を教えないといけません。しかし、その事を生徒が心の奥底から理解するには経験が必要です。

また、事実として教室という狭い閉鎖空間に40人近い大人数を入れるという事は生物学的にかなりのストレスだという事です。理性が未発達な子ども達は放っておけば、必ずいじめを起こします。そして教師がいじめをしてはいけないいけないと言えば言うほど陰湿化巧妙化して行きます。

あまり、生徒を動物に例えてはいけないと思いますが、人間は本能と理性で出来ていて、基本的に本能部分は動物と同じで、それを理性でコントロールする訳ですので、動物の事例から学ぶのは多くの場合、有効だと考えています。

実験では、大きさの違う2種類のマウスを同じケージに入れ、毎日10分間、大きいマウスに小さなマウスをいじめさせました。残りの時間も2匹を隣り合わせのケージに入れ、絶えず小さいマウスに恐怖とプレッシャーを与え続けたのです。

こうした生活を10日間繰り返すと、小さいマウスは人間と同様に「社会的敗北ストレス」を感じ、うつ症状を引き起こすようになります。

このあと、大きいマウスと小さいマウスに普通の水とショ糖の入った甘い水を飲ませると、大きいマウスは70~80%の割合で甘い水を飲んだが、小さいマウスは50%しか飲まなかったのです。

うつ病になると、体内の糖分のバランスを保つ機能が正常に働かなくなり、糖分が必要なのにとらなくなり、脳に糖分の栄養がいきわたらず、うつ症状が悪化したりする。甘い水をあまり飲まないことで、小さいマウスがうつ病になっていることが確認されました。

この実験では2つの部分があります。小さいマウスが実際に大きいマウスからいじめを受けた部分と仕切りがあるとはいえ、小さいマウスが大きいマウスと同じ空間にいたという事です。もし、小さいマウスが大きいマウスから離れる事が出来れば被害は小さく出来たはずです。

この問題の根本原因は学校に生徒のパーソナルスペース、別の言葉で言えば、逃げ場がない事です。

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