DBDマーチの概念に基づいた全く新しい生徒指導(10)


「情緒的障害」は、不安障害、適応障害、気分障害などからなるADHDの2次障害です。強迫性障害10名が最も多く対象の8%にみられ、分離不安障害7名、過剰不安障害5名と不安障害に続き、適応障害6名、気分障害三名がみられました。「神経性習癖群」は以前から神経性習癖と呼ばれた疾患が含まれ、主なものでは排泄障害が25名(対象の20%)、チック障害11名、睡眠障害8名、吃音症4名がみられました。「発達障害」は学習障害、コミュニケーション障害、運動能力障害を想定したADHDの2次障害で、学習障害33名(対象の26%)、運動能力障害3名、広汎性発達障害5名がみられました。なお「発達障害」に含まれている広汎性発達障害はADHDと鑑別診断が困難な症例です。

この結果から、「行動障害」は医療対象となるADHDの約50% 「情緒的障害」は医療対象となるADHDの約25%、「神経性習癖」は医療対象となるADHDの約30%、「発達障害」は医療対象となるADHDの約30%にみられる、とまとめることができるでしょう。そしてADHDの併存障害のうち、「発達障害」に含まれる学習障害やコミュニケーション障害「神経性習癖」に含まれる排泄障害やチック障害のような体質的機能障害はADHDの一次性併存障害と捉えられるでしょう。

さらにADHDには、強い不安や強迫傾向、気分の落ち込み、あるいは過度の反抗や反社会的行動などの情緒と行動の障害が認められることがあります。これらの多くは、ADHDが乳幼児からたどってきた外傷的な生育環境(虐待など)やライフイベント(転居・転校や学校でのいじめなど)との相互作用により生じた二次障害という側面が強いと考えられます。 子どもは成長に伴ってADHD特有な社会的対処法の問題(例えば乱暴さや衝動的な唐突さなど)のために、しばしば周囲の大人(親や教師)から叱責されることが多くなります。また友達や仲間からは攻撃されたり、仲間はずれにされることもあります。そのような周囲の反応によって、ADHDの子どもは自信を失い、無力感や空虚感、あるいは不安や気分の落ち込みを感じ、同時に怒りをためていきます。

しばしば、中学校1年生段階で反抗挑戦性障害(ODD )に達している生徒がいます。これにはいくつかの理由が考えられますが、最大の理由はADHDの生徒に診断がついていないという事です。

文科省の調査によると普通クラスに6.5%の軽度発達障害の子供がいるはずです。ところが私の狭い経験では、小学校で診断が軽度発達障害の診断がついてくる生徒は1%以下です。おかしくありませんか。

おかしいですがこれは学校の実情を知る者にはよくわかります。学校には教師によるいくつもの委員会がありますが、特別支援委員会ではどの生徒が軽度発達障害の疑いがあり、どの生徒が支援を必要としているかが話し合われます。私はいつもWISC-Ⅲの実施を提案するのですが、(今ではWISC-Ⅲ上時代遅れでWISC-Ⅳになっていますが)大抵の場合校長によってなあなあになり、実施されません。

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