DBDマーチの概念に基づいた全く新しい生徒指導(13)


そして、手強い指導困難児童生徒に対して担任が一人で取り組むのは非常に危険です。少なくとも、学年、管理職との連携が必要ですが、肝心なのはこの指導グループが特別支援的な価値観を共有するという事と必ず、スクールカウンセラーと連携するという事です。そうなるとスクールカウンセラーの職分を広げる必要があります。私は生徒指導へのスクールカウンセラーの参加を強く要請します。この国の未来に関わる問題です。

「DBDマーチ」において押さえておかないといけないポイントはADHDの子供が「DBDマーチ」を必ずずたどるということを意味しているのでは全くなく、いかにその途中であるODDの段階で適切に対処し、その先への展開を停止させるかということに支援者が注目すべきであるという事です。


齊藤先生らは、前述した臨床像や現病歴に関する調査と臨床経験からDBDマーチの着想を得ました。決して自慢ではないですが、指導困難な生徒と何人も向き合ってきて、特別支援学級の担任を3年やって、通常学級に戻り、非常に指導困難な生徒と出会ったり、大人のパーソナル障害者と出会う中で私も全然理解度は低いですがDBDマーチに近い所までの気づきがあったのです。この事はDBDマーチが机上の空論ではなく、生徒の実態に即した物である事が分かります。
齊藤先生らがDBDマーチの着想を得たのと同じ頃ローパーらは齊藤先生らとは異なるアプローチでの研究結果から、ADHD、ODD、 CDそれぞれの疾患の相互関係とその展開過程を報告しました。ADHDに始まる早期児童期におけるODDの展開、そして青年期のASPDへの展開過程は、齊藤らのDBDマーチとほとんど同じ考え方です。同じようにローパーらは、DBDマーチの進行に伴う情緒面の障害にもふれ、ODDの出現時期である早期児童期に不安が現れやすく、思春期には抑うつに変化していくこと、CDはこの抑うつおよび身体表現性障害に結びつきやすいこと、抑うつとCDの双方が物質乱用と結びつきやすいことなどを指摘しています。

これらの考え方は、ODDやCDに不安や抑うつといった感情、そして不安障害やうつ病性障害が伴いやすいということだけでなく、不安障害やうつ病性障害などがODDやCDと診断されるような問題行動の主たる発現要因になっている場合もあることを示唆しているのです。

ODD、CDといった外在化障害を示すようになった子どもや家族の養育機能が低い場合などでは、児童期、思春期の間を途切れることなく、地域の関係諸機関で連携をとりながら支援、援助できるシステムが必要になります。家族の養育機能が低い場合には、養護施設への入所を検討しなければならない場合もあります。また、小学校高学年から中学生の常習的な反社会的問題については、自立支援施設や矯正教育を利用することが望ましい場合もあります。

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