DBDマーチの概念に基づいた全く新しい生徒指導(8)

DSM-5では対人関係や虐待、教育、職業、住居、経済、人生の危機など多くの生きていく上での課題を取り扱っています。そこでは、親子や夫婦間の虐待やネグレクト、孤立、ホームレス、貧困、社会的疎外など、生きることの困難を精神医学的関与の対象として記載しています。

DSM-5で定められた診断のうちDBDマーチに関わる障害で主な物をあげます。

大きな括りとして、破壊的行動障害(Disruptive Behavior Disorders:DBD)の中に

素行障害(Conduct disorders:CD)

反抗挑戦性障害(Oppositional Defiant Disorder:ODD )

反社会性パーソナリティ障害(Antisocial Personality Disorder:ASPD )

があります。

加齢と共に、ADHA→ODD→CD→ASPDと、連続的な経過を辿るケースが、さながら「行進」に例えて、DBDマーチと名付けられました。あるデータによるとADHAの30~45%がODDに進行し、その25~47%がCDに、更にその約33%がASPD になる、とのことです。これも一つの指標に過ぎません。

齊藤万比古先生を先頭とする研究者らは、ADHDの子どもの攻撃性が外在化され悪循環した場合、ADHDを起点として、加齢とともに破壊的行動障害内の診断名が変遷していき、反社会性パーソナリティ障害に至るという経過をDBD (破壊的行動障害)マーチ」と名付けたのです。。

齊藤先生らは病院を受診しADHDと診断された子どもの併存障害について調査を行い、125名(男103名、女22名、平均年齢9才)のADHDと診断された子どもの80%に何らかの併存障害が伴っていること、その併存障害は①「行動障害」、②「情緒的障害」、③神経性習癖, ④発達障害の四群に分類できることを報告しています。

「行動障害」は素行障害(CD)、反抗挑戦性障害(ODD )からなるADHDの2次障害です。

DSM-5による素行障害は、他者の権利を侵害するような攻撃的で反社会的な行動様式をとるもので、DSM-5の診断基準には以下のものがあげられています。すなわち、人や動物への攻撃性(いじめ、脅迫・威嚇、暴行やけんか、ナイフなど武器を使用する、身体的に残酷な行為、強盗、ひったくり、強奪、性行為を強いるなど)、放火や故意に人の物を破壊する、窃盗(万引)、うそをついて人をだます、などのほか、13歳未満からの深夜の外出や無断宿泊および怠学などです。人や動物への攻撃性は男子に多くみられる傾向にあり、深夜の外出や無断宿泊は女子に多くみられます。親の養育の怠慢など不健全な家庭環境およびストレスの高い社会環境が原因となって不適応行動につながることも多く、ほかに遺伝的要因も考えられています。

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