良い人になるためには自信を持たなければならない(1)


スクールカウンセラーの先生に尋ねた事があります。いい人になるための心理学的手法はなんですか?その先生はこう答えました。

「心理学(というかカウンセリング)に いい人になると言うアプローチはないんです。カウンセリングの目標は、クライアントの心の重荷を取り去り、クライアントが元気になる事を目標にしているので、良い人になるという目標はないんです。」

この言葉を聞いて私はなんて素晴らしいんだろうと思いました。私は生徒にいい人であろうが悪い人であろうがとにかく生きていてほしいと思います。いい人になるという目標はその次に来るものだと私は思います。だからこの先生の言葉はとても心に響きました。

生徒指導においてもやはり第一の目標は生徒の心の重荷を軽くしてやる事にするべきでしょう。しかし、生徒指導にはもう一つの側面、社会順応性を高めて、学校生活に馴染めるようにすると言う目標があります。実は社会順応性を能高めるための心理学的なアプローチはいくつもあります。

今や「アドラー心理学」が全盛で様々な分野で応用されていますね。『嫌われる勇気』というベストセラー本はアドラー心理学について書かれています。かく言う私も『嫌われる勇気』の愛読者で、何度も何度も読んで、人に好かれなくてもいいんだ。人に好かれなくてもいいんだ。と呪文のように自分に言い聞かせていました。怖いですよね。でもある一定の人々には理解してもらえると思います。

それぐらい私にとって人に嫌われると言うのは恐ろしく辛いことだったのです。今私はだいぶ楽になって、誠意を尽くしても嫌ってくる人に対しては、別に気にしないことにしています。気付いたのですが、そういう人たちって大抵何かしら性格に難があるものです。その人たちにさらに誠意を示して信頼関係を築くまで頑張るという選択肢もあるでしょうし、実際私はなるべくそのようにしてきましたが、そんなことをしても自分が病気になるだけだと気づきました。そして、気づいたのはその分のエネルギーを自分を好きだと言ってくれる人に注いだ方が幸せになれると言うことでした。

生徒指導においてもこれは一面の真理ではあります。教師はついつい2:6:2の最後の2である指導困難な生徒に注目しがちです。しかし、本当に注目すべきは、最初の2である優等生なのです。彼らに力を注いで、学級を良い方向に引っ張ってもらうこと、これは学級上の鉄則です。

これは生徒を例える上では適切な例えとは言えないことを前提で聞いていただきたいのですが日和見菌と言う言葉を聞いたことがありますか?

日和見菌と言うのは大腸菌のことです。私たちの腸内には約3万種類以上、その数1,000兆個以上、重さにして1~2㎏にもなる細菌が棲息しており、それらを総称して腸内細菌と呼びます。

腸内には体によい働きをしてくれる「善玉菌(有用菌)」と、異常繁殖すると悪さをする「悪玉菌(有害菌)」がいます。また、腸内環境がよいときには体によい働きをし、悪化すると悪玉菌に加勢して毒性を強める「日和見菌(中間菌)」というどちらでもない菌もいます。

2:6:2のうち6の生徒が決定的に重要で、この生徒たちが指導困難な2の生徒に引っ張られた状態が学級崩壊といえます。逆にこの6の生徒が優等生に引っ張られれば、クラスの中に抑止力が生まれ、指導困難な2の生徒がおかしなことをしたときに、それを非難する風潮がクラスの中に生まれます。これを使わない手はないでしょう。ですから優等生にがどのようにクラスで影響力を増すことができる後から手助けする事が担任の力量と言うことになってきます。

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