教師のためのカウンセリング基礎技術 共感を示す(2)

共感を示すにはロジャーズの3原則の2番無条件の肯定的関心も入ってきます。良い、悪いの判断は一時保留します。というか、しばらく保留します。最初に聞いた時に顔が険しくなってはいけないのです。まずは無条件の肯定的関心を持った態度で共感的理解をし、共感を示します。

切り口を変えて言えば、「共感的理解」に基づく傾聴とは、聴き手が相手の話を聴くときに、相手の立場になって相手の気持ちに共感しながら聴くことであり、「無条件の肯定的関心」を持った傾聴とは、相手の話の内容が、たとえ反社会的な内容であっても、初めから否定することなく、なぜそのようなことを考えるようになったのか関心を持って聴くことです。さらに言うと「自己一致」に基づく傾聴とは、聴く側も自分の気持ちを大切にし、もし相手の話の内容にわからないところがあれば、そのままにせず聴きなおして内容を確かめ、相手に対しても自分に対しても真摯な態度で聴くことです。

「自己一致」こそが鍵であって、本心から出ていない共感は必ず見抜かれます。その時はそれこそ取り返しのつかない事になります。

教師が生徒の言葉に耳を傾けるとき、教師がもし生徒の立場にあったらどのように感じるか自分自身に尋ねることによって、生徒を理解しようと試みます。

「私が彼らの立場にいたら、私はこの問題ににどう反応しただろうか?」 「なぜ彼らはこのような行動をしたのだろうか?」 「彼らは何を考え、感じているのだろうか。」

共感が何であるかを理解するために、次の例を読み、質問に答えてください。

教師が生徒の立場に立って考えている時、いくつかの質問を通して100%ととはいかないまでもある程度、生徒の思いや感覚を共有している事を確認する事でまず共感を持っている事を確認できます。

この共感能力は個人差があり、それは持って生まれた性格やスキル、カウンセリングの経験量によって変わってきます。高い共感能力をもつ事は良いカウンセラーになるために必要な事ではありますが、それで十分だという事ではありません。共感しすぎて、本来の目的である生徒の指導、支援が効果的に行えないならマイナスにすらなります。しかし、心からの共感を持ちながらも、教師が自分をコントロールして、本来の目的に向かってステップを踏む事が出来るなら、その教師は最高のカウンセラーになる素養があると言えるでしょう。

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