では、共感を持つというステップをクリアできたとして、次に共感を持つことは共感を示すことと同じではありません。
教師はは共感を持っている場合にのみ共感を示すことができます。共感を示すことは教師生徒の気持ちを理解している事、少なくとも彼らの感情を理解しようとしていることを他生徒に伝えることを意味します。
共感を示す事は時々、生徒の心の扉を開いたり、教師が生徒の味方であるという認識を持つ助けになります。
教師が生徒と同じのような経験をしたことがあれば、それらを彼らと共有してください。もし同じような経験をした事がないならなら、生徒の状況を理解して、生徒のために教師の感情を表現する事が出来ます。想像力を働かせる事が鍵になります。
「それは悲しかったね。」
「苦しかったね。」
「寂しかったね。」
このように、自分に同じような経験出なくても、あるいは、生徒の気持ちが、非常に理解し難い場合であってさえも、共感を示すことができます。
共感を示すという事は、教師が心から本気でそう感じていなければなりません。教師が本当は感じていない共感すとき、教師は生徒を怒らせ、よい影響よりも害を及ぼします。
以下は共感を示している教師の例です。
青山君はいつも宿題をして来ません。連絡ノートに忘れないようにメモさせてもいつも忘れてしまいます。
潮先生は青山君が宿題をしてくるように、話しかけています。
「青山君、今日はお説教をするためじゃなくて青山君の気持ちを聞きたくて来てもらったんだけど、青山君は何で宿題をしてこないのかな?」
「めんどくさいんですよ。」
「なるほど、めんどくさいんだね。」
「先生も中学時代、青山君と同じサッカー部でさ、家に帰ると疲れて、宿題したくなかったな。」
「先生でも、そんな事あったんですか?」
「うん、あったね。」
「でも、先生は多分僕とは違いますよ。」
「あー先生と青山君では状況が違うって思うんだね。」
「どんなところが違うと思う?」
「先生は家に帰ったら、晩御飯がありましたか?」
「そうだね。お母さんが準備していってくれたね。」
「僕は家に帰っても、晩御飯がありません。」
「なるほど、家に帰っても晩ご飯がないんだね。部活でお腹が空いていると本当に大変だね。」
「お母さんは作ってくれないのかな?」
「お母さんは昼から夜9時ぐらいまで働いているので作れません。」
「お母さんがお仕事に行く前にご飯を作ることができると思う?」
「できないと思います。お母さんは僕を育てるお金を稼ぐために一生懸命頑張ってヘトヘトなんです。僕はお母さんを少しでも休ませてあげたいです。」
「そうか、頑張っているお母さんの力になりたいんだね。」
宿題をやってきてほしいと言う本題に入る前に、共感を示すことで同じことを言うのでも全然効果は違ってきますし、また共感することによって、教師の態度も全然違ってくるということをご理解いただけたでしょうか。
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